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調査研究

平成17年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)
専門特化型訪問看護ステーションのサービス提供体制に関する調査研究事業

主任研究者:川越博美(前聖路加看護大学教授)
主任研究者代理:田悦子(東京大学大学院講師)

  1. 目的
    特定の領域に対する専門性のある訪問看護サービス、すなわち、専門特化型訪問看護ステーションのサービス提供体制の整備にむけて、ニーズの高い3つの専門領域(認知症ケア、緩和ケア、難病ケア)における訪問看護サービスの質の評価基準を明確にすることを目的とした。
  2. 方法
    1. 評価基準案の作成:Donabedianのケアの質の評価モデルに基づき、「サービスの構造の質」ならびに、「サービスの過程の質」を主要な評価の枠組みとし、構造の質については研究班全体で、過程の質については各専門領域の研究班でおのおの評価基準案を作成した。
    2. 評価基準案の評価:第一次調査として、全国訪問看護事業協会会員施設のうち、当該専門領域の専門特化を自認するステーションを把握した。第二次調査として、それらに対し、評価基準案の遂行度と重要性の評価を実施し、これらを踏まえ、最終評価基準を完成した。
  3. 結果
    第一次調査の結果、当該専門領域の専門特化を自認し、かつ事業所名が特定できた事業所は1419(延べ925ヵ所)であった。第二次調査の結果(回答数:認知症ケア95ヵ所、緩和ケア138ヵ所、難病ケア92ヵ所)、遂行度(実施割合)の範囲は36.3〜82.6%、重要度(重要とする割合)の範囲は73.6〜82.1%であった。これらを踏まえ、本評価基準案は、今後、研修等支援を行えば十分達成可能な要件であると判断し、構造の評価の質基準14項目、認知症ケア20項目、緩和ケア30項目、難病ケア37項目を最終基準(表)として決定した。
  4. 考察
    本基準の活用により、各ステーションが当該専門領域のサービスの基準を充足させるような評価・点検を行い、当該専門領域における訪問看護ステーションおよび訪問看護師におけるケアの質の確保、向上をはかることが重要である。

難病ケア小委員会委員長:小倉朗子(東京都神経科学総合研究所主任研究員)
緩和ケア小委員会委員長:福井小紀子(国際医療福祉大学助教授)
認知症ケア小委員会委員長:田悦子(東京大学大学院講師)

 

表 専門特化型訪問看護ステーションにおけるサービスの質の評価基準
サービスの構造の質の評価基準(共通14項目)
〔1.事業所の理念・運営方針〕、〔2.理念・運営方針に基づく組織図〕、〔3.専門領域のケア提供の方針〕、〔4.専門性を有する看護師の配置〕、〔5.専門領域の知識・技術の向上のための研修計画〕、〔6.専門領域のケア実践のための支援体制〕、〔7.専門領域のケアに関する助言・指導・協力体制〕、〔8.専門領域のケアのプロトコル〕、〔9.専門的ケアの24時間の提供体制〕、〔10.職員の負担軽減に配慮したスケジューリング〕、〔11.サービス評価の体制〕、〔12.地域の他機関への支援体制〕、〔13.専門領域のケアに関する情報の整備・発信体制〕、〔14.専門領域のケアの普及・啓発体制〕
認知症ケア領域のサービスの過程の質の評価基準(20項目)
〔1.認知症スクリーニング〕、〔2.利用者の意思決定支援〕、〔3.認知機能障害支援〕、〔4.行動・心理兆候(BPSD)予防〕、〔5.セルフケア支援〕、〔6.IADL支援〕、〔7.生活時間リズム支援〕、〔8.生活環境調整〕、〔9.なじみの関係支援〕、〔10.不安・混乱刺激の調整〕、〔11.安心・自信材料のケア活用〕、〔12.リスクアセスメント〕、〔13.薬物療法支援〕、〔14.介護負担支援〕、〔15.介護技術支援〕、〔16.虐待予防支援〕、〔17.緊急時対応〕、〔18.主治医との連携〕、〔19.ケアマネジャ-との連携〕、〔20.サービスチームとの連携〕
緩和ケア領域のサービス過程の質の評価基準(30項目)
〔1.痛みのアセスメント〕、〔2.痛みの管理〕、〔3.痛み以外の身体症状のアセスメント〕、〔4. 痛み以外の身体症状の管理〕、〔5.精神症状のアセスメント〕、〔6.精神症状の管理〕、〔7.代替ケア〕、〔8.セルフケアのアセスメント〕、〔9.家族アセスメント〕、〔10.家族への指導〕、〔11.家族への症状説明〕、〔12.家族への死期説明〕、〔13.グリーフケア〕、〔14.本人の死亡場所の確認〕、〔15.家族の死亡場所の確認〕、〔16.本人の不安の表出の機会創出〕、〔17. 家族の不安の表出の機会創出〕、〔18.麻薬取り扱いかかりつけ医との連携〕、〔19.かかりつけ医との連携〕、〔20.ケアマネジャとの連携〕、〔21.ヘルパーとの連携〕、〔22.ボランティアの参加〕、〔23.病院との情報交換〕、〔24.チームにおけるケア方針の確認〕、〔25.チームにおける緩和ケアの学習〕、〔26.代弁者としての役割〕、〔27.最期の場所〕、〔28.最期の状況の意味づけ〕、〔29.デスカンファレンス〕、〔30.緩和ケアを振り返る機会〕
難病ケア領域のサービス過程の質の評価基準(37項目)
〔1.1日複数回の訪問〕、〔2.事業所等との連携〕、〔3.制度活用窓口との連携〕、〔4.必要な機器類使用〕、〔5.病状進行アセスメント〕、〔6.疾病認識アセスメント〕、〔7.医療に対する意思決定支援〕、〔8.療養場に対する意思決定支援〕、〔9.死の表出機会の創出〕、〔10.随意運動障害等アセスメント〕、〔11.姿勢保持障害アセスメント〕、〔12.呼吸障害アセスメント〕、〔13.専門的気道ケア〕、〔14.嚥下障害アセスメント〕、〔15.コミュニケーション障害アセスメント〕、〔16.自立神経障害アセスメント〕、〔17.身体症状アセスメント〕、〔18.精神症状アセスメント〕、〔19.外出計画〕、〔20.サービス利用支援〕、〔21.住環境アセスメント〕、〔22.利用者のQOLアセスメント〕、〔23.医療処置管理〕、〔24.家族介護者指導〕、〔25.ヘルパー等への支援〕、〔26.人工呼吸器メンテナンス〕、〔27.衛生材料供給〕、〔28.家族介護者負担支援〕、〔29.家族の.QOLアセスメント〕、〔30.遺伝相談〕、〔31.支援チームでの検討〕、〔32.病状急変時の取り決め確認〕、〔33.緊急時連絡網の作成〕、〔34.緊急物品整備〕、〔35.人工呼吸器非装着者の身体症状支援〕、〔36. 人工呼吸器非装着者の心理的支援〕、〔37. 人工呼吸器非装着の意思決定支援〕

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